仕事内容と健康への想い
私が所属する食品研究所では、健康やQOL向上に寄与できる新たな機能性食品の開発や、既存の当社製品素材がもつ新たな機能性の探索などを主な研究テーマとしています。私は大規模疫学研究を担当しており、共同研究先と連携し、数千名の参加者の腸内細菌叢データを解析しています。参加者の乳酸菌摂取状況や疾病罹患・生理機能、生活習慣に関するデータと腸内細菌叢との関連性を調べることで、乳酸菌 シロタ株の飲用効果だけでなく、疾病に関与する腸内細菌叢を明らかにすることが研究の目的です。私が入社した2020年、新型コロナウイルス感染症の拡大により社会が大きく変化しました。私自身、パンデミックが社会に与える影響の大きさを目の当たりにして、「予防医学の重要性」を再認識しました。現在取り組んでいる研究においても、一人でも多くの人の健康に貢献できるよう、幅広い視点で解析をすることを意識しています。
現在の挑戦
私は大学院時代、微生物工学研究室に所属し、アジア人の腸内細菌叢をテーマに研究を進めていきながら、食や腸内細菌が健康に深い関わりがあることを学びました。現在、私が担当している研究はビッグデータを扱うため、インフォマティクスに関する知識が不可欠です。大学院時代とは違ったアプローチにより解析を進めていくことになるため、大学で関連する授業を受講したり、所属先の上司や先輩に教えていただいたりしながら、解析に必要な知識を習得してきました。今も疫学研究や疾病に関する文献調査などを行って知識を補いながら、研究を進めています。着手して間もない研究ですが、膨大なデータのなかから何を見出だせるかは解析者の着眼点次第でもあり、そこに難しさもありますが大きなやりがいを感じています。この研究を通じて、新たな事実を明らかにしていけることを今から楽しみにしています。
仕事のやりがいと今後の目標
私の研究で扱う「コホート調査」は疫学研究における観察的手法の一つで、大規模なデータを取り扱うことになります。時系列による腸内細菌の変化なども調査対象としており、規模・時間ともに大規模な研究と言えます。研究を進めていくことで、乳酸菌 シロタ株の飲用効果を見出していくことが一番の目的ですが、疾患と関連のある細菌叢を同定したり、遺伝子情報やオミックス情報を含めた網羅的な解析を行ったりすることもできるかもしれません。長期間にわたる研究になりますが、未だ解明されていない「腸内細菌と健康の関係」を明らかにできる可能性があると考えると、それだけでワクワクします。私は「プロバイオティクスを通じて、世界中の人々に健康を届けたい」と願って入社し、今もこの思いが仕事に向き合う原動力となっています。将来的には、一人ひとりの腸内細菌叢に合ったプロバイオティクスを提案できるような研究に取り組めたらと考えています。
9:00 | 出社 メールをチェック 1日の業務を確認 |
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9:30 | 研究室内での進捗報告 |
10:00 | 実験 |
12:00 | 昼休み |
13:00 | 実験 |
15:30 | 論文調査・データ解析手法の勉強 |
17:00 | 上司との打ち合わせ、解析方針の修正など |
17:30 | 退社 |