健康への情熱・発想は、「世界の人々の健康を守りたい」という創業時の精神にさかのぼります。ヤクルトは、「私たちは、生命科学の追究を基盤として、世界の人々の健康で楽しい生活づくりに貢献します。」という企業理念のもと事業活動を行っており、事業活動そのものがSDGs17目標の「3 すべての人に健康と福祉を」に貢献していると考えます。
ヤクルトの創始者である代田 稔が医学の道を歩みだしたのは1921年。当時の日本は、衛生状態の悪さから感染症で命を落とす子どもたちが数多くいました。このような環境の中、代田は、病気にかかってから治療するのではなく、病気にかからないようにする「予防医学」を志し、微生物の研究を重ね、「乳酸菌 シロタ株」を生み出しました。そして、この乳酸菌を一人でも多くの人に摂取してもらうため、有志とともに安価でおいしい乳酸菌飲料として製品化、現在の「ヤクルト」が誕生しました。
ヤクルトの商品は、店頭での販売のほか、もともと創業以来、「宅配」という方法でお届けしています。この「宅配」は商品をお届けすることに加えて、「予防医学」「健腸長寿」の考え方を「普及」していくことや、「真心」「感謝」「人の和」を大切にするといった代田の基本的な考えに根ざしています。
人類がこの地球で暮らし続けていくために、2030年までに達成すべき目標であるSDGsは、あらゆる貧困をなくすことを最も重要な課題とし、地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓っています。
ヤクルトの原点となる考え方、そして、人が健康であるためには、環境や社会など、人を取り巻くすべてのものが健康でなければならないという、コーポレートスローガン「人も地球も健康に」は、SDGsの目指すところと合致しており、まさに私たちが真摯に取り組むべきものであると考えています。ヤクルトは、今後も「人と地球の共生社会」のもと、いつまでも人と地球が共に暮らせる社会をつくることを追求していきます。
ヤクルトグループの企業活動はSDGs17目標の達成に広く関わりますが、マテリアリティを踏まえ、ヤクルトグループと特に関わりが深いSDGs目標は下記8つと捉えています。今後も、ヤクルトグループ一体となって、SDGs達成に向けた貢献を推進していきます。
世界の人々の健康に貢献する、という使命を胸に、これまで培ってきた乳酸菌や有用微生物の研究成果の活用や、外部リソースとの協働による新しい可能性の追究を継続し、健康課題や社会課題の解決につながる商品やサービスを展開していきます。
ヘルスケアカンパニーへの進化
事業を展開するそれぞれの地域の文化や慣習を尊重し、「安全・安心」で健康な地域づくりに貢献するとともに、地域特有の社会課題に対しても、地域の皆さまとの対話を重ねながら、課題解決に向けて積極的に取り組んでいきます。
地域の皆さまに継続的に健康をお届けするために
「安全・安心」で高品質な商品づくりは、持続可能なサプライチェーンの存在がなければ成り立ちません。人権、労働、環境、腐敗防止といった企業の社会的責任を、サプライチェーンで具体的アクションとして見える化しながら、推進していきます。
責任ある原材料調達の実現のために
資源の枯渇や自然災害等、気候変動に伴うさまざまな問題に対して、さらなる省エネ推進や再生可能エネルギーの積極的導入等を行うとともに、サプライチェーン全体で温室効果ガス排出量を削減していきます。
プラスチックごみや資源リサイクル等の問題に対して、容器包装へのプラスチック使用量削減や資源循環しやすい素材への転換を図るほか、生産工程で使用するプラスチック製梱包材の再利用等を推進していきます。
水需給の不均衡や水災害の発生等の問題に対して、生産拠点の水リスクに対応する管理を行い、水使用量の削減に向けて取り組むとともに、水資源の保全および持続的利用を推進していきます。
事業活動 | 貢献するSDGs | 具体的な取り組み |
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研究・開発 予防医学や健腸長寿に貢献する研究開発に取り組み、研究成果を食品・医薬品・化粧品へと応用しています。 |
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● 研究成果の情報開示 ● 代田記念館の一般公開による消費者とのコミュニケーション ● 商品開発時および市販後商品の安全性評価 ● 各種分析試験による製品の安全性担保 ● 各種試験データの監査による信頼性保証 ● 大学、病院、研究機関などとの共同研究 ● 研究助成プログラムの推進 ● 各種学会、シンポジウムへの協賛 ● 研究所内委員会活動等による化学物質の管理徹底 ● システム構築と業者連携による情報漏洩防止の強化 |
調達 脱脂粉乳・砂糖・包装資材等の原材料を公正な取引を通じて調達しています。 |
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健全な取引先の選定 ● 新規取引先事前相談や信用調査の実施 ● 契約書(反社会的勢力の排除に関する条項を明記)の締結 ● 取引先決算状況の確認 公正な取引の推進 ● 取引先評価制度の実施 原材料の安定調達 ● 複数社購買や適正在庫の管理 ● BCP対応の推進 CSR調達の推進 ● CSR調達アンケートによるリスク調査 ● サプライヤーCSRガイドラインの策定 |
生産 限りある資源を効率的に利用し、お客さまに「安全・安心」で高品質な商品を安定的に届けるため、人にも環境にも配慮した工場運営を行っています。 |
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労働災害の削減 ● 安全衛生教育や安全衛生巡視の実施 ● 誰もが健康でより安全に仕事ができる職場環境のための継続的設備投資 省エネおよび廃棄物の削減・リサイクルの推進 ● 高効率な設備・機器導入や作業方法改善、LED導入や太陽光発電の活用等によるCO2排出量削減およびエネルギー使用量削減 ● 廃棄物排出量の抑制や適正処分 ● 排水の適正な管理および水使用量の削減 危機管理体制の整備 ● 災害発生時における生産活動維持や早期復旧ができる体制の整備 ● BCPや防災マニュアルの策定・随時見直し ● 緊急地震速報受信機の設置による早期初期対応 環境への影響やリスクを把握 ● 水リスク調査の実施 ● 生物多様性リスク調査の実施 |
物流 エコドライブを徹底し、環境負荷が少ない輸送方法を選択することで、商品輸送時のCO2排出量を削減しています。 |
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同業他社との共同化推進 ● 物流センターおよび量販店向け輸送において他社との共同化を進め、エネルギー使用量の削減とコスト削減の両立を実現 日々の効率化推進 ● システム導入による配車積載率の可視化を活かし、二温度帯輸送や適正配車など配車組替による高積載率を実現 ● 物流子会社の自社トラックの車載端末を活用しエコドライブを徹底・強化 ● 環境配慮車両への切り替えや空車区間の削減 |
販売 商品とともに、商品の正しい知識や健康に役立つ情報をお客さまにお届けしています。 |
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● 児童向け出前授業の実施 ● お客さま向け健康教室、企業向け健康教室の実施 ● ウェブサイトでの情報開示 ● 健康に関するキャンペーンの実施 ● 店頭価値普及活動の実施 ● 障がい者福祉施設における社会貢献支援活動の実施 ● 「ヤクルト届けてネット」による注文方法の多様化 ● オンライン入金システム・携帯情報端末の導入による業務効率化 ● キャッシュレス決済の導入による労働生産性向上 ● ヤクルトレディ健康ダイヤル、介護相談サービス、FP相談窓口の設置による働きやすい環境づくり ● センター管理、宅配活動における環境配慮 ● ヒートポンプ自動販売機の導入 |
SDGsの本質を理解し、自分ごととして捉えてもらうために、従事者に対する啓発活動を継続的に実施しています。
2018年には、ヤクルトグループの事業の各段階における活動とSDGsとの関連性を示したポスターを、日本語、英語、中国語(繁体字)、中国語(簡体字)、韓国語、タイ語、インドネシア語、スペイン語、ポルトガル語の9言語で作成しました。
また、2020年4月に改定した「ヤクルト倫理綱領・行動規準」では、行動規準の各項目に関連するSDGsを記載しました。事業活動を正しく行ううえでの考え方や行動の実践が、ヤクルトグループに求められるCSRにつながり、SDGsの達成にも貢献することを伝えています。
2018年12月21日、持続可能な開発目標(SDGs)推進本部(本部長:内閣総理大臣)が主催する第2回「ジャパンSDGsアワード」表彰式が開催されました。ヤクルトグループの取り組みがSDGs(目標3「すべての人に健康と福祉を」など)の達成に貢献するものとして評価され、特別賞「SDGsパートナーシップ賞」を受賞しました。