水は、地球上の限りある資源です。昨今、水需給の不均衡や水災害の発生など、水に関わる問題が地球規模で問題になっています。これは水を原材料とするヤクルトグループの事業活動にとって重要な課題です。ヤクルトグループでは、定量目標を定め水使用量(原単位)の削減に向けて取り組むとともに、生産拠点の水リスクに対応する管理計画の策定を進め、水資源の保全および持続的利用を推進します。
本社工場やボトリング会社では、水の循環利用や運用見直しなどを通じて水使用量の削減を図り、徹底した排水管理で河川への影響を最小限にとどめています。
水リスク調査を継続的に行い、リスクの高い地域においては、調査結果をもとに生産活動の見直しや対策を進めています。
2021年4月には、「環境ビジョン2050」を発表しました。「環境ビジョン2050」の達成に向けた短期的および中期的マイルストーンである「環境アクション(2021-2024)」および「環境目標2030」において、水使用量を2024 年度末までに2018年度比3%削減、2030年度末までに2018年度比10%削減することを目指しています。
持続可能な水使用のためには、各工場が水需給の見通し、水災害発生の可能性、公衆衛生、生態系への影響等の水リスクについて認識し、管理していく必要があります。そのため2017年から外部機関に委託し、WRI Aqueduct※等を用いて水ストレスレベル(水需給に余裕がない状態の程度)の評価を行っています。
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WRI Aqueduct:国際環境 NGO の世界資源研究所(WRI)が開発した水リスク評価ツール
日本・福島工場
製品の生産に使用する純水の製造過程で発生した濃縮水を製品や機械の冷却水として再利用
メキシコ・イスタパルカ工場
排水処理場の処理水を工場の緑地へ散水
タイ・バンコク工場/アユタヤ工場
処理水をマイクロフィルターによって浄化し、トイレ用水やパレット・輸送車・排水設備の洗浄、植木や芝の散水に使用
中国・天津工場
排水オンラインモニタリングのシステムを、天津市生態環境局とネットワーキングし、合法的に汚水を排出
排水処理水を緑地への散水に利用
(メキシコヤクルト)
処理水を芝生の散水に使用
(タイヤクルト)