ヤクルトフコイダン YAKULT FUCOIDAN

日本では、海藻は有史以前から食物として利用されてきました。
近年、食に対する健康意識の高まりから海藻の構成成分である多糖体が注目されてきています。
モズク(褐藻類)には多量のフコイダンが含まれており、このフコイダンは
フコースを主成分とする多糖類で、ウロン酸と微量ですがキシロースも含まれています。
またフコースに硫酸基が一部結合しており、これがネバネバの性質を与える基となっています。

ヤクルトフコイダンとは

ヤクルトでは、沖縄モズク由来のフコイダンに着目し研究・開発を進めてきました。
その結果、独自の製造方法により得られたモズク抽出物の主成分“フコイダン”に胃の不定愁訴を改善したり、胃の疾患に深く関与していることで知られているピロリ菌を低減する働きなど、優れた生理作用があることを確認しました。
ヤクルトフコイダンは、フコイダン中のミネラル成分を均一化しているため、安定した胃への作用が期待できます。
また、分子量のサイズ(50,000~100,000)をそろえているため、粘性が低下し、素材として取り扱いやすくなります。
健康指向の食品素材としてご利用いただくようお願いいたします。

ヤクルトフコイダンの特徴

1不定愁訴改善作用

不定愁訴の患者10名にフコイダン入りの茶飲料を14日間飲用してもらったところ、飲用により飲用前に比べて明らかに胃の不定愁訴の症状が改善されました。
この効果は胃運動機能促進作用によるものと考えられます。

2ヘリコバクター・ピロリ抑制作用

ピロリ菌陽性者11名にフコイダン入りの茶飲料(100mg/日)を10日間飲用してもらったところ、ピロリ菌数が約半分まで減少しました。
フコイダンの摂取によりピロリ菌の低減効果が期待できます。

ピロリ菌は胃の上皮細胞の表面にある糖(フコースなど)に接着します。フコースを成分として含有しているフコイダンは、ピロリ菌の胃の上皮細胞への接着を拮抗的に抑えることができます。(試験管レベルで実施)。

3ヤクルトフコイダンの製造方法

オキナワモズクから抽出されるフコイダンは抗潰瘍活性の変動幅が大きい

独自の製造法によりイオン交換処理を施してフコイダンの硫酸エステル基を遊離酸型・アルカリ金属塩型に変換

抗潰瘍活性の変動幅を小さくすることに成功

ヤクルトフコイダンの規格・その他

1ヤクルトフコイダンの規格

項目 規格
外観 茶褐色の粉末
フコイダン量 80%以上
水分 10%以下
荷姿 ダンボール(1kg(500g×2袋))
賞味期限 製造後3年

2ヤクルトフコイダンの安全性

急性毒性試験、亜急性毒性試験、慢性毒性試験、変異原性試験の結果、安全であることが確認されています。

3参考文献一覧

  • ・柴田英之ら:ラットにおけるオキナワモズク Cladosiphon okamuranus TOKIDA由来フコイダンの抗潰瘍作用
    薬理と治療 26(8) : 37-41,1998
  • ・M.Nagaoka,et al. : Structural study of fucoidan from Cladosiphon okamuranus TOKIDA. Glycoconjugate Journal 16 : 19-26,1999
  • ・Hideyuki.Shibata : Inhibitory Effect of Cladosiphon fucoidan on the Adhesion of Helicobacter pylori to Human Gastiric Cells.
     Jo urnal of Nutritional Science and Vitaminology 45(3) : 325-336. 1999
  • ・山本佳洋ら:モズク由来フコイダンおよびフコイダンを添加したお茶による胃潰瘍およびNUD(不定愁訴)改善効果の検討
    薬理と治療 28(1) : 63-70,2000
  • ・鈴木剛ら:Functional Dyspepsia症例におけるフコイダンの胃排出機能改善効果について薬理と治療 28(11) : 931-935,2000
  • ・山本佳洋ら:モズク由来フコイダンを添加したお茶による Helicobacter pylori 低減作用およびNUD(不定愁訴)改善効果の検討
    薬理と治療 28(11) : 937-942,2000
  • ・H.Shibata,et al.:Properties of fucoidan from Cladosiphon okamuranus tokida in gastric mucosal protection.
    BioFactors 11:235-245,2000
  • ・Hideyuki.Shibata,et al.:Effect of oligofucose derivatives on acetic acid-induced
    gastric ulcer in rats.
    Bio-Medical Materials and Engineering 11:55-61,2001
  • ・高木逸子ら:モズクフコイダンおよびウロン酸含有多糖の蛍光標識法および
    HPLC分析法の検討
    Chromatography 22(2) : 85-90,2001
  • ・曽根俊郎ら:オキナワモズクの抗炎症作用
    Fragrance Journal(12) : 87-92,2001
  • ・山本佳洋ら:モズク由来フコイダンを添加したお茶によるNUD(不定愁訴)改善
    効果の検討
    薬理と治療 30(5) : 397-400,2002
  • ・長岡正人ら:モズク中 fucoidan および Bifidobacterium bifidumn の抗 H.pylori 作用
    日本臨床腸内微生物学会誌 4-5(1) : 57-61,2002~2003
  • ・H.Shibata,et al,:Preventive Effects of Cladosiphon Fucoidan Against Helicobacter
    pylori Infection in Mongolian gerbils.
    Helicobacter 8(1) : 59-65,2003
  • ・Yoshinobu Aisa,et al, : Fucoidan induces Apoptosis of Human HS-Sultan Cells
    Accompanied by Activation of Caspase-3 and Down-Regulation of ERK Pathways
    American Journal of Hematology 78 : 7-14,2005