ヤクルトグループは世界各地の工場で、環境保全やステークホルダーとの信頼関係づくりに注力しながら、工場の運営を進めています。中華人民共和国においては、2002年に広州工場(広州ヤクルト株式会社)、2006年に上海工場(上海ヤクルト株式会社)が生産を開始し、中国沿岸部を中心に販売地域を拡大してきました。この記事では、2011年に中国における3番目の工場として生産を開始した天津工場(天津ヤクルト株式会社)の環境や地域社会への取り組みについてご紹介します。
天津工場は、天津経済技術開発区(TEDA)において、日産約350万本のヤクルト製品をフル稼働で生産しています。TEDAで事業を行う企業には、人々の健康な暮らしや生態系に対する配慮を行い、エネルギーの利用や廃棄物による環境への影響を低減することが国の規制によって求められます。天津工場では「人も地球も健康に」を基本に、積極的な省エネ活動、資源の有効活用などを推進しています。
天津工場では、CO2排出量低減に向けて、エネルギー効率に優れた天然ガスボイラーを導入し、生産ラインの蒸気使用量に応じて、きめ細かな運転制御を行っています。作業エリアには、省エネルギー熱交換器を導入することで、省エネルギーと快適な作業環境の両立を図っています。また、通常の蛍光灯に比べ20%の節電効果のある高効率蛍光灯を導入するとともに、管理職による定期巡回によってさらなる節電につなげています。
資源の有効活用については、製品に使用する水の処理時に発生する逆洗水を工場内のトイレなどに供給し、排水の30%以上を再利用しています。
工場から排出される金属、段ボール、プラスチック、キャップ用アルミ廃材については再資源化を行っています。また、社員教育の一環として、両面コピー・裏面紙利用の意義について指導を徹底し、廃棄物の低減につなげています。
天然ガスボイラー
水処理装置
地域社会との円滑なコミュニケーションや、お客さまのヤクルトグループへのご理解促進に向けて、工場見学を実施しています。2015年、天津工場では18,355名の見学者を受け入れました。工場見学では、安全・安心な製品づくりに向けて5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)活動に取り組んでいることをアピールしており、見学者からは「非常に清潔な工場で感動した」などの声をいただいています。
工場見学
洗浄作業
生産ライン
天津工場では、TEDA以外の地域からも積極的に従業員の採用を行っており、遠方からの社員向けに宿舎を完備したり、通勤バスの運行を行ったりしています。従業員からは「宿舎から徒歩通勤できるので便利です」、「自家用車を所有していないので、通勤バスがあって助かります」といった声が寄せられています。天津工場は、TEDAが主催するCO2削減プロジェクトに賛同しており、その一環として、通勤バスの整備を行っています。
通勤バス
電気やガスなど無駄なエネルギーを使用しないことや、水の再利用、廃棄物の分別・再資源化を通して、地球環境の保全に貢献したいと思います。地球環境や地域社会貢献を常に意識して仕事をすることで、誇りをもって仕事をすることができます。
天津工場は生産開始5年の若い工場で、300名を超える従業員が仕事をしているため、衛生教育の徹底が重要です。工場見学のお客さまに、私たちの仕事と工場を見ていただくことで、安心してヤクルト製品をお飲みいただけるよう努めていきます。