1気になる体臭、その正体とは?汗、皮脂、細菌の三重奏
混雑した電車に乗ったり、足早に歩いた時、人前で緊張したり、強いストレスを感じた時など、季節に関係なく汗をかきます。ごくごく自然な体の反応ですが、ちょっと気になるのがニオイです。汗が匂わないか、湿った服にニオイが残らないか。
汗(汗腺)には、2種類あります。全身にたくさんあるエクリン腺の汗は水っぽくサラサラしていて、それのみではニオイのもとになりにくいです。わきや陰部にあるアポクリン腺は、腋臭(わきが)に代表されるような体臭の原因となることがあります。
エクリン腺と、アポクリン腺の違いによるニオイ以外にも、加齢とともに皮脂の酸化がおこることで、独特のニオイを発するのが「加齢臭」。糖尿病や腎機能の低下などの疾患にともなうニオイの変化、食生活や運動習慣といった生活習慣の悪化、過度のストレスなどによるニオイなどがあります。
いずれにしても、以前よりも体臭が強くなったと感じる人はこれらの事情が隠されているかもしれません。
2一日10分、毎日、汗腺を開くことでニオイを抑える
日頃から運動習慣がなく、大量に汗をかくことがない人は、汗腺の多くが休んでしまい、一部の汗腺だけが働いている状態になりがちです。詰まった汗腺が何かのきっかけで開通すると長い間ため込んだ老廃物が排出され、これがニオイのもとになります。汗腺をよく開いて老廃物をためないことが体臭予防にはとても重要です。
また最近は、さまざまな消臭・制汗剤が市販されています。ニオイを抑えるにはこれらを使うのはもちろん効果的ですが、汗腺をきれいにしてからこれらの商品に頼るのがベストな選択です。
ただし、汗腺を開き、清潔にしていても体臭が気になる…という人は一度皮膚科で相談することをおすすめします。
<わずか10分。汗腺を開き、ニオイを抑える入浴法>
- ①バスタブに42℃程度のやや熱めのお湯を半分程度はります。そこに、クエン酸※粉末約30gを溶かします。湯を保温せず、そのまま温度が自然に下がっていくようにします。
- ②そこにお風呂の椅子を入れて座り、足と手がつかるようにします。約3分。
- ③その後、椅子を取り除き、普通に半身浴を約7分。全身から汗が出るのを確認したらあがる。
- ④体をよく洗って老廃物を流します。
※傷がある人、皮膚が弱い人はクエン酸を少しずつ加えて状態を見ながらにしましょう。
3やはりこってりはNG。体臭を抑える食習慣を身につけよう
人によって汗をかいても匂いにくい人、匂う人がいるのは、体質に違いがあるからです。また、食事の内容が関わっていることもあります。ニオイが強い、脂肪が多い、酸化しやすい食品をとると体臭が強くなりやすいといわれています。また、腸が健康に働いている人は体に不要なものが順調に排泄されます。腸に悪玉菌をため込まないよう腸内環境を整えることも、体臭を抑えるうえで役立ちます。
<体臭が強くなりやすい食習慣>
一品物や弁当、ファストフードなどで食物繊維が少なく、肉や脂肪の多い食事を取り続けると、体臭が強くなりやすいでしょう。次のような食品は控えめに。
- 肉類
- チーズやバターなどの動物性脂肪
- こってり系のラーメン、中華、洋食など
- アルコール
- 辛い食べ物
- ニンニクやニラなどニオイのある食べ物
<体臭の改善を期待できる食べもの>
抗酸化作用があるビタミンCやポリフェノール、β-カロテン、オレイン酸などの栄養素。
- カシス、ブルーベリー
- トマト、カボチャ、にんじんなどの緑黄色野菜
- 玉ねぎ、しょうが
- 鮭、イワシ、いくら
- ハーブ類
- オリーブオイル
- 海藻類
- ゴマ
- 米ぬか
- 緑茶
- 赤ワイン
- 根菜類
- ヨーグルト、納豆、ぬか漬けなどの発酵食品
毎日、ちょっとの工夫で体臭が気にならない、はつらつとした生活を。良い印象で出会いを楽しみましょう!