学術論文確かな検証に裏打ちされた蕃爽麗茶
特定保健用食品として認可されるために、学術論文を提出し、効果効能について検証しています。
緒言
糖尿病患者は予備軍を含め1370万人ともいわれ、糖尿病の急増が問題とされている。日本における糖尿病についてはその大半がII型糖尿病で、食事摂取後のインスリン分泌遅延と、肝や筋肉などの組織におけるインスリン抵抗性のために食事摂取後の高血糖が特徴的病態である。高血糖はインスリンの需要を増大しインスリン作用不足を助長するのみならず、糖尿病性合併症の発症、進展に重要な役割を演じているといわれている。
II型糖尿病に対して運動療法1)及び食事療法2)により血糖コントロールの改善が報告され,食事療法の1つに食後血糖上昇を抑制する目的で食物繊維3),4)や糖質の消化吸収に関わる酵素の阻害薬5)~8)が用いられている。
私たちはグァバ葉の熱水抽出液に糖質の消化吸収を遅延させる作用を見いだし、さらに、動物への糖負荷試験及び健康成人を対象とした試験において、米飯と共に飲用することで食後血糖上昇抑制作用があることを報告した9)。また、糖尿病モデルマウスへの長期投与により糖尿病病態の進行抑制を認めている9)。
このグァバ葉抽出液のヒトを対象にした長期飲用の影響を知ることを目的として、今回空腹時血糖値が110mg/dlを越える高血糖者を対象に長期飲用試験を行い、空腹時血糖値および血糖コントロールが改善されるかについて検討した。試験飲料のグァバ茶飲料は独特のハーブ風味を呈するため、風味的に差のない対照飲料を用いることはできなかった。そこで、試験期間中の食事内容調査と問診により運動量を調べ、食事内容や運動量の変化による影響も同時に検討した。
これらの糖類消化酵素阻害薬は食事に起因する高脂血症などに使われていること5,8)から脂質代謝関連についても調べた。また継続飲用により懸念される影響として、ポリフェノール類が鉄の吸収を抑制するとの報告がある10),11)ことから今回安全性を調べるための一般血清生化学検査に鉄代謝に関する測定項目も含めて調べた。
さらに、糖類消化酵素阻害薬のおもな副作用12),13)に未消化糖類による下痢の発症あるいは腹部症状への影響があることから、通常量の3倍量の飲用試験を行い、下痢の発症と腹部症状への影響、低血糖の有無についても調べた。