ニュースリリース
グローバルプロバイオティクス委員会活動の積極展開
2005.09.20研究開発
株式会社ヤクルト本社(社長 堀 澄也)とグループダノン(フランス、会長兼CEO フランク・リブー)は、昨年3月、共同して世界中においてプロバイオティクスの認知を広め、理解を促進させることを目的に「グローバルプロバイオティクス委員会」を設置し、活動を行ってきました。
このほど、その成果として次の2つのプロジェクトが実現しましたので、お知らせします。
記
【参考】ヤクルトの米国での活動について
ヤクルト本社は平成2年にアメリカヤクルトを設立し、ロサンゼルス、ニューヨークに拠点を置いて、米国進出への調査研究を行ってきました。そして、平成11年よりメキシコヤクルトから商品を輸入し、全米のアジア系(日系、中国系、韓国系)のスーパーマーケットを中心に販売を行ってきました。さらに、平成17年(本年)にはカリフォルニア州でヒスパニック系スーパーマーケットへの本格販売を開始し、事業の拡大を図っています。
このほど、その成果として次の2つのプロジェクトが実現しましたので、お知らせします。
- 研究員の相互派遣
- ヤクルト本社とダノン社は、グローバルプロバイオティクス委員会活動の中で、ともにプロバイオティクス研究のトップ水準の研究を行っており、また、各々が得意とする分野があることを確認しました。
ついては、両社が共同で研究を行うことで、より高い水準の研究ができると考え、ヤクルト中央研究所とダノンビタポール研究所において、相互に研究員を1年間派遣し、双方で合意した研究プログラムを実施します。- (1)期 間
- 2005年9月から1年間
- (2)交換研究員
- (ヤクルト側)
氏名 : 久代 明(くしろ あきら)博士(主任研究員) 43歳
所属 : 東京都国立市谷保1796 ヤクルト中央研究所 基礎研究Ⅱ部臨床微生物
履歴 : 1990 大阪大学薬学部大学院 薬学博士号取得
(ダノン側)
氏名 : OOZEER Raish(オジール・ライシュ)博士 30歳
所属 : グループダノン ビタポール研究所 原材料部門
履歴 : 2004パリ第11大学 薬学大学院 微生物学博士- (3)研究テーマ
- (久代 明博士)
「乳酸菌・ビフィズス菌の抗生物質最少阻止濃度の測定と安全性の評価※1」
※1 抗生物質耐性と安全性評価- 抗生物質の多用により、新たに抗生物質耐性を獲得し、抗生物質が効かなくなる病原菌の出現が問題になっています。乳酸菌・ビフィズス菌は、ある種の抗生物質に対し、耐性を示す事が知られていますが、その耐性は外部から伝達されたものではなく、菌そのものが固有に持っている性質である事を明らかにし、乳酸菌・ビフィズス菌の安全性を評価することを当研究のテーマとします。
- (オジール・ライシュ博士)
「定量的PCR法※2を用いた腸内フローラの解析手法とこれを用いた年齢による腸内フローラ構成の変化の解明」
※2 定量的PCR法- PCR/polymerase chain reaction:微量のDNAを、その複製に関与する酵素ポリメラーゼを用いて大量に増やす方法です。
ヤクルト研究所では、従来3ヶ月から20ヶ月かかっていた腸内フローラの解析を定量的PCR法を用いた自動分析装置を開発することで1週間で可能にしました。この装置を用いた年齢経過による腸内フローラの変化の解析を当研究のテーマとします。- 米国プロバイオティクスシンポジウムへの協賛
- ヤクルト本社とダノンUSA社は米国において教育補助金を提供し、ハーバード大学医学部栄養学部門が、第1回目の米国プロバイオティクスシンポジウムを開催することになりました。
- (1)テーマ
- プロバイオティクスと子どものおなかの健康
- (2)日 時
- 2005年10月9日(日)午後7時30分~10時30分(現地時間)
- (3)場 所
- グランドハイアットホテル(ワシントンDC)
- (4)講師・演題
- 開 会 Allan Walker, M.D. (Harvard Medical School)
講演 1 Athos Bousvaros, M.D. (Harvard Medical School)
「腸管での細菌定着と疾病予防」
講演 2 Jonathan Markowitz, M.D. (Children’s Hospital of Philadelphia)
「プロバイオティクスと保育所での病気予防
講演 3 Cornelius W. Van Niel, M.D. (University of Washington School of Medicine)
「小児下痢に有効なプロバイオティクスの利用」
講演 4 Balfour Sartor, M.D. (UNC School of Medicine)
「小児炎症性腸疾患へのプロバイオティクスの利用」
総合討論 全演者- (5)開催形態
- アメリカ小児科学会2005年大会の教育シンポジウム
なお、シンポジウムの内容は、後日、ハーバード大学医学部栄養学部門のウェブサイトにて公開予定です。- (6)主 催
- ハーバード大学医学部栄養学部門
- (7)協賛(教育補助金の提供)
- 株式会社ヤクルト本社 及び ダノンUSA社
- ヤクルト本社とダノン社は、グローバルプロバイオティクス委員会活動の中で、ともにプロバイオティクス研究のトップ水準の研究を行っており、また、各々が得意とする分野があることを確認しました。
以 上
【参考】ヤクルトの米国での活動について
ヤクルト本社は平成2年にアメリカヤクルトを設立し、ロサンゼルス、ニューヨークに拠点を置いて、米国進出への調査研究を行ってきました。そして、平成11年よりメキシコヤクルトから商品を輸入し、全米のアジア系(日系、中国系、韓国系)のスーパーマーケットを中心に販売を行ってきました。さらに、平成17年(本年)にはカリフォルニア州でヒスパニック系スーパーマーケットへの本格販売を開始し、事業の拡大を図っています。