プラスチック資源循環に向けて
プラスチック製容器包装の使用を持続可能なものとするために、容器包装の軽量化のほか、バイオマス等資源循環しやすい素材への転換を進め、プラスチック製容器包装による環境負荷の低減を図っています。
社会課題・メガトレンド
プラスチックごみは、毎年約800万t※に及ぶ量が新たに流れ出ていると推定されており、
2050年には、プラスチックごみの量が魚の量を上回ると言われています。
WWFジャパンWEBサイト「海洋プラスチック問題について」、Neufeld,L.,et al.(2016)
ヤクルトのコミットメント
2030年までにプラスチック製容器包装の使用量(国内)を2018年度比30%削減あるいは再生可能にします。
ヤクルトの取り組み
地球にやさしい資源循環の実現に向け、積極的に取り組みます!
環境対応推進室 課長 利根川 尚也
ヤクルトグループは、2019年1月に「プラスチック資源循環アクション宣言」を発表し、資源循環しやすい容器包装への転換や容器包装の素材変更等の取り組みを進めています。
- バイオマス素材の使用拡大
- シュリンクラベルの薄肉化、再生PETの使用拡大
- 配布用プラスチック製スプーン・ストロー等の使用削減
- プラスチック再資源化に取り組むアールプラスジャパンへの資本参加
Close-up:容器包装の資源循環改革
2030年までにプラスチック製容器包装の使用量(国内)を2018年度比30%削減あるいは再生可能にするという目標の実現に向け、部門を横断して容器包装の資源循環改革に取り組んでいます。取り組みに関わる担当者の想いや今後の展望を紹介します。
私のエコ活動:
水を出しっぱなしにしない、電気をこまめに消す、エコバッグと水筒を持ち歩く等。
開発部 係長
原田 俊之
開発部 係長
原田 俊之
石油由来プラスチックの使用量のさらなる削減を目指す
開発部では、プラスチック容器包装への取り組みとして、技術的な側面からプラスチックを含む新規容器包装を開発することに加えて、プラスチック使用量の削減、バイオマス素材の導入、リサイクル等を検討しています。私は、ポリスチレン素材としては世界最薄の20μmのシュリンクラベルの「Newヤクルト」類と「ヤクルト400」類への導入を担当しました。これにより、シュリンクラベルのプラスチック使用量を20%削減できたことに加え、従来は難しかったヤクルト類容器のくびれ部にも表示やデザインを配置できるようになりました。
今後は、バイオマス素材の活用や容器の軽量化を推進し石油由来プラスチックの使用量をさらに削減するとともに、中長期的にリサイクル適性に優れた素材への転換や、行政と連携した容器のリサイクルを目指していきたいと考えています。
私のエコ活動:
食品の保存に再使用できる容器を使う、米のとぎ汁、風呂の残り湯等の再利用を心がけています。
環境対応推進室 係長
久保 昌男
環境対応推進室 係長
久保 昌男
容器から容器に繰り返し再生できる仕組みづくりに取り組む
「ヤクルト」の販売当初はガラス瓶を使用しており、瓶を回収して再使用していましたが、1968年にポリスチレン容器に変更しました。これにより、重いガラス瓶の宅配・空瓶回収や洗瓶の負荷が削減できた一方で、現在では、当社の容器包装におけるプラスチック使用量の大半を占めています。
欧米をはじめ海外では、ポリスチレンは他のプラスチックと比べ使用量が少なくマイナーなためリサイクルが難しいと否定的な考え方もあります。しかし、ポリスチレンは、技術的には環境負荷やコストが比較的低い方法で高品質な再生樹脂にリサイクルできる可能性が高いのです。形だけで「ヤクルト」とわかる容器は当社のトレードマークでもあり、今後も使い続けるために、容器から容器に繰り返し再生できる仕組みづくりに取り組みたいと思っています。もちろん、そのような仕組みは1企業だけでつくることは難しく、原料の生産から製品の消費・排出および回収・再資源化まで関わりのある方々とグループの枠を超えた連携を模索していきます。