ニュースリリース
抗悪性腫瘍剤「エルプラット」の結腸がんにおける術後補助化学療法に関する効能・効果の取得について
株式会社ヤクルト本社(社長 堀 澄也)では、2009年8月20日に白金錯体系抗悪性腫瘍剤オキサリプラチン-販売名『エルプラット注射用100mg』および『エルプラット注射用50mg』(以下、「エルプラット」)に関して、「結腸がんの術後補助化学療法」の効能・効果を取得したのでお知らせします。
当社は、2008年8月29日に、海外で実施されたMOSAIC試験などのデータを使用し、「エルプラット」に関して「結腸がんの術後補助化学療法」の効能追加申請をしていました。
このMOSAIC試験では、手術後の結腸がん(ステージⅡとⅢ)の患者さんを対象とし、従来の術後補助化学療法(ホリナートと5FUの併用療法)を受けた患者さんよりも、従来の術後補助化学療法に「エルプラット」を追加したFOLFOX療法を受けた患者さんの方で、3年無病生存期間が統計学的に有意に長いことが明らかにされています。海外では既にこの結果を基に「エルプラット」を使用するFOLFOX療法が結腸がんの術後補助化学療法の標準療法となっています。6年全生存期間においても、FOLFOX療法は統計学的に有意に長いことが、最近明らかになりました。
この度、当社が「エルプラット」に関して「結腸がんの術後補助化学療法」の効能・効果を取得したことにより、日本でも、手術後の結腸がん患者さんに対して「エルプラット」を使用するFOLFOX療法の保険適用が可能になりました。
以上
【ご参考】
「エルプラット」について
「エルプラット」は、2005年3月に『エルプラット注射用100mg』が「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」の効能・効果で承認され、レボホリナートとフルオロウラシル(5-FU)の静脈内持続投与法との併用(FOLFOX療法)において使用することが認可されています。
また、容量の異なる『エルプラット注射用50mg』が2008年8月に承認され、水溶性製剤の『エルプラット点滴静注液100mg』『エルプラット点滴静注液50mg』が2009年8月20日に剤型追加を取得しています。
結腸がんについて
結腸がんは、大腸がんのなかでも、結腸(上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)にできた悪性腫瘍を指します。一般的に大腸がんと呼ばれる悪性腫瘍は、腫瘍ができた場所によって、結腸がんと直腸がんに大別されます。肛門に近い大腸最後の部分にできた悪性腫瘍は直腸がん、それより上にできた腫瘍は結腸がんとされます。大腸がんのうち約35%は直腸がんで、約65%は結腸がんです。結腸がんは、患者数が年々増加しており、日本では2010年の年間新規罹患患者数として約87,500人が推計されています*。
*大島・黒石・田島「がん・統計白書-罹患/死亡/予後-2004」(篠原出版新社)