ニュースリリース
抗悪性腫瘍剤「エルプラット注射用100mg」を発売
2005.04.05医薬品
株式会社ヤクルト本社(社長 堀 澄也)では、本年3月18日に輸入承認を受けた抗悪性腫瘍剤「エルプラット注射用100mg」(一般名:オキサリプラチン)を4月6日から発売いたします。
本剤は、デビオファーム社(所在地:スイス ローザンヌ市)が開発した抗悪性腫瘍剤で、当社が販売中のカンプト注(一般名:塩酸イリノテカン)と並び、結腸・直腸がん(大腸がん)に対する世界的な標準治療薬として、数多くの国々で販売されており、日本国内の承認・発売が長く待たれていた薬剤です。
本剤の販売開始にあたり、当社では、大腸がんの世界的な標準薬・3剤(塩酸イリノテカン、オキサリプラチン、5-FU)のうち2剤を国内において販売する責務を重く受け止め、適正使用(安全対策)を最優先にして取り組んで参ります。このため、発売当初は国立・公立がんセンター、特定機能病院、地域がん拠点病院などの専門病院への販売を行い、本剤の安全性情報の収集に努めていきます。
今年度の「エルプラット注射用100mg」の売上は、9億円(薬価ベース算定)を計画しています。
なお、「エルプラット注射用100mg」の概要は下記のとおりです。
記
<参考資料>
エルプラット注射用100mgの概要
本剤は、デビオファーム社(所在地:スイス ローザンヌ市)が開発した抗悪性腫瘍剤で、当社が販売中のカンプト注(一般名:塩酸イリノテカン)と並び、結腸・直腸がん(大腸がん)に対する世界的な標準治療薬として、数多くの国々で販売されており、日本国内の承認・発売が長く待たれていた薬剤です。
本剤の販売開始にあたり、当社では、大腸がんの世界的な標準薬・3剤(塩酸イリノテカン、オキサリプラチン、5-FU)のうち2剤を国内において販売する責務を重く受け止め、適正使用(安全対策)を最優先にして取り組んで参ります。このため、発売当初は国立・公立がんセンター、特定機能病院、地域がん拠点病院などの専門病院への販売を行い、本剤の安全性情報の収集に努めていきます。
今年度の「エルプラット注射用100mg」の売上は、9億円(薬価ベース算定)を計画しています。
なお、「エルプラット注射用100mg」の概要は下記のとおりです。
- 販売名:エルプラット注射用100mg(一般名:オキサリプラチン)
- 成 分:1バイアル(V)中にオキサリプラチン100mg含有
- 規 格:1V(包装)
- 規制区分:毒薬・指定医薬品・処方せん医薬品
- 薬 価:74,087円/V
- 発売日:平成17年4月6日
- 効能・効果:治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
- 用法・用量:
(1)レボホリナート及びフルオロウラシルの静脈内持続投与法との併用において、通常成人にはオキサリプラチン85mg/m2(体表面積)を1日1回静脈内に2時間で点滴投与し、少なくとも13日間休薬し、副作用の回復を待って反復投与する。
なお、年齢、症状により適宜減量する。
(2)本剤1バイアルに5%ブドウ糖注射液20~50mLを注入して充分に溶解する。
溶解液を5%ブドウ糖注射液に注入し、250~500mLとして、静脈内に点滴投与する。 - 特長:
(1)新規構造を有する白金錯体系抗悪性腫瘍剤である。
(2)大腸癌に対する効果が基礎的および臨床的に確認されている、はじめての白金錯体系抗悪性腫瘍剤である。
(3)白金錯体系抗悪性腫瘍剤であるが、シスプラチンと異なり、投与にあたって大量輸液は不要である。
(4)ホリナートおよびフルオロウラシルの静脈内持続投与法との併用療法(FOLFOX4)として使用した場合、進行再発結腸・直腸癌に対し、有用性が認められ、欧米において標準的化学療法のひとつとして組み込まれている。 - 承認条件:
(1)市販後の一定期間は、投与症例について全例を登録して、本剤の安全性及び有効性を検討できるような使用成績調査を行うこと。調査にあたっては、血液系障害、消化器系障害、神経系障害、腎機能障害、心循環器系障害等の有害事象並びに症例の転帰を把握する適切な措置を講じ、集積された結果については定期的に報告するとともに、公表すること。
(2)治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌患者を対象とした臨床試験により、本剤とレボホリナートおよびフルオロウラシルの静脈内持続投与法との併用療法に関して、日本人での至適用法・用量の更なる検討を行うこと。
以 上
<参考資料>
- 販売名:「エルプラット注射用100mg」
- 一般名:オキサリプラチン
- コード名:「L-OHP」
- 効能・効果:治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
- オキサリプラチンの構造式:
類薬のシスプラチン(白金錯体系抗悪性腫瘍剤)に耐性となった腫瘍への効果およびシスプラチンに特徴的な腎毒性の軽減を目的として1976年喜谷義徳(名古屋市立大学名誉教授)らによって見いだされた化合物である。 - 作用機序:
ヒトにおいてオキサリプラチンは、生体内変換体(ジクロロ1,2-ジアミノシクロヘキサン(DACH)白金、モノアクオモノクロロDACH白金、ジアクオDACH白金)を形成し、癌細胞内のDNA鎖と共有結合することでDNA鎖内及び鎖間の両者に白金DNA架橋を形成する。これらの架橋がDNAの複製及び転写を阻害する。