~2025年3月期 第2四半期(中間期) 決算説明会 11月12日(抜粋)~
はじめに
第2四半期までの連結全体の決算については、売上高は増収、営業利益は減益、経常利益と中間純利益は増益という結果でした。
国内飲料食品事業は、減収減益となりました。乳製品本数が当初の計画、前年度の実績をともに下回っており、特にヤクルト1000シリーズの販売本数が、想定に届かなかったことが主な要因です。
海外飲料食品事業は、増収増益となりました。米州地域の増収増益が大きく貢献し、アジア・オセアニア地域も減収減益幅が第1四半期までと比べて小さくなりました。
通期業績予想については、国内の下期での巻き返しを見込みましたが、上期の実績や活動状況を踏まえて通期の着地点を再度、見極めた結果、下方修正を行うこととしました。
配当について
配当については、「継続的な増配を目指すことを最優先とする」という配当方針のもと、すでに発表しておりますとおり、中間配当金を前期と比べ4.5円増配の32円としています。期末配当金予想は32円、年間配当金は前期と比べ8.5円の増配となる予定です。
株主還元については、今後も強化を図っていきたいと考えています。
各事業の取り組み
国内飲料食品事業
ヤクルト1000シリーズの販売本数は、1日あたり300万本前後で推移しています。2019年10月に「Yakult(ヤクルト)1000」を関東1都6県で発売を開始してから、約5年でヤクルト1000シリーズの構成比は、乳製品全体の約3割までになりました。しかし、足元の販売本数は横ばいで推移しています。
一方、ストレス緩和・睡眠サポートを訴求する市場規模は、まだまだ拡大しており、当社商品の実績をさらに伸ばせるポテンシャルがある市場だと考えています。
これまで多くのお客さまから、「Yakult(ヤクルト)1000」の甘さを控えた商品を求めるお声をいただいておりました。そのお声を形にしたのが、今月から発売した「Yakult(ヤクルト)1000糖質オフ」です。
この商品の展開を契機にお客さまを増やし、さらなる成長に結びつけていきたいと考えています。
宅配チャネル
11月から関東1都3県で「Yakult(ヤクルト)1000糖質オフ」を発売しました。この商品は「Yakult(ヤクルト)1000」の基本設計をベースに、糖質・カロリー・甘さを気にするお客さまのご要望にお応えしたものです。この商品の展開が、新規のお客さまづくりや糖質・カロリー・甘さを気にして離れてしまったお客さまへの再アプローチに結びつくと考えています。商品価値を伝えるヤクルトレディの活動環境については、前期は最大生産能力を意識しながらでしたが、現在は制約なく行っています。
「Yakult(ヤクルト)1000糖質オフ」は、年明けから全国展開しますので、ヤクルトレディが精力的に価値普及活動できるよう準備を進めています。
多くの方に商品をご紹介し、ヤクルト1000シリーズの販売本数を増大させていくきっかけにしたいと考えています。
店頭チャネル
「Y1000」については、6本パックの配荷も進み、店頭での露出が高くなっています。まだまだ潜在需要の掘り起こしは可能です。
また、生協の個配やホール、自動販売機など、店舗以外のチャネルへのアプローチも進め、隅々まで商品が行き渡るようにしています。
Newヤクルト類は、昨年9月の価格改定後、販売本数が減少しましたが、現在の水準が最低ラインだと思っています。現在、店頭での効果的な売り場づくりの提案やマーケットごとの販売促進活動を強化し、地道な価値普及活動を継続していますので、徐々に販売本数は増加していくと考えています。
植物素材利用食品
10月に生産子会社として株式会社ヤクルト プランツ ファクトリーを新たに設立し、植物素材利用食品の新ブランド「豆乳の力」の生産を開始しました。この商品の発売により、近年、世界全体で拡大傾向にある植物素材利用食品市場へ当社も進出しました。
発売開始から時間が経っていないため、実績貢献の話をする段階ではありませんが、将来的に確実に拡大していく市場だと認識しており、今後、少しずつ存在感を高めていきたいと考えています。
国際事業
直近の7月から9月における、海外全体の1日あたり販売本数は、前年を約3%上回り、8四半期ぶりに前年同期比プラスとなりました。
今は実績が前年水準を上下するような状況ですが、各国でのさまざまな営業活動の展開により、下期、さらには来期に向けて実績を徐々に引き上げていければと考えています。
アメリカ
2024年5月に6%を超える価格改定を実施しましたが、販売本数への大きな影響もなく、これまでと変わらず伸長が継続しています。
取引店舗数は順調に増え販路は拡大しています。しかし、展開したばかりの地域では、まだまだ露出が低い店舗も数多く、これから存在感を高めていく段階です。拡大とともに1店舗あたりの販売本数を増やしていく深堀りも併せて実施していきます。
また、2026年9月の生産開始に向けて、南東部のジョージア州に第2工場建設を決めており、計画は順調に進んでいます。
多様化するお客さまのニーズに応えるとともに、環境にも配慮した工場を建設します。
メキシコ
今期の販売本数は、過去最高本数となった前年を上回るペースで推移しています。進出から長い時間が経っている今でも、着実に商品の価値普及が進み、ヤクルトのファンが増えています。
また、2月に5%弱の価格改定を実施しており、本数増加と価格改定の両方の効果で、売上、利益を押し上げています。
今後も安定的な成長により、米州地域全体の増収増益に貢献していきます。
ベトナム
宅配、店頭の両チャネルで順調に販路が拡大し、高い伸長率を維持している事業所です。
4月に発売した低カロリータイプの「ヤクルトライト」が好調に推移しており、販売本数を一段と押し上げる結果となりました。ベトナムの本格的な深掘りはこれからですので、伸長ペースは今後も続くと考えています。
中国
景況感の悪化によって、消費の低迷が続いている状況は足元まで変わっていません。そのような厳しい環境下でも、現地ではできることを着実に行ってきました。
その一つが5月の「ヤクルト ピーチ風味・鉄プラス」の発売です。中国で人気のあるピーチ風味を配合し、鉄分が不足しがちな女性、幼児、高齢者を中心とした幅広い層をターゲットにした商品です。
これまで積極的なフレーバー展開はしてきませんでしたが、ヤクルトの商品を手に取ってもらうきっかけを作り、お客さまの入り口を広げる効果を期待しました。販売促進活動も大々的に展開した結果、目標を大きく上回る結果で推移しており、取引店舗でのヤクルトブランドの存在感も高まりました。7月以降も好調は持続しており、第3四半期の前年同期比プラスに貢献しています。
フレーバー展開に軸足を移しているわけではなく、これまでどおり、「乳酸菌 シロタ株」の訴求が土台にあることは変わりません。
価値普及を今まで以上に行い、興味を持っていただいたお客さまの毎日飲用を促進することで、さらなる販売本数の回復に結びつけていきたいと思います。
下期に前年の実績を確実に上回っていくことが、来期以降の伸長に必要だと考えています。
インドネシア
消費の鈍化は続いており、販売本数が前年度を下回っている状況ですが、店頭チャネルに比べて宅配チャネルの方が減少幅を小さく抑えられています。
ヤクルトレディ組織の再構築は着々と進んでいます。ヤクルトレディの「売る力」は対面教育の再徹底によりコロナ禍前の水準に戻り、減少傾向にあったヤクルトレディ数も足元は増加に転じています。
これに合わせ、販売回復策の一環として10月から宅配チャネルに「ヤクルトライト」を導入しました。足元では宅配チャネルの販売本数が前年を上回っております。今後もヤクルトレディの活動意欲の向上、新しいお客さまづくりの強化に結びつけていきます。
宅配チャネルの回復が店頭チャネルの減少分をカバーしていき、徐々に全体が前年水準に近づいてくると考えています。
結び
最後になりますが、今期末で4年間の「中期経営計画」が終了します。次期の「中期経営計画」について、社内で検討中の段階ですが、2025年5月の本決算発表時にあわせて開示する予定です。
次のフェーズの方向性を皆さまと共有できればと思っています。
株式会社ヤクルト本社
代表取締役社長
成田 裕
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