お通じに良い食材・食べ物

知ってスッキリ お通じ(便秘・便通)悩み改善
お通じに良い食材・食べ物良いお通じのために大事なことは?

お通じと食べ物の関係

健康でいるためには毎日何を食べるかが重要なのはもちろんのこと、栄養素が吸収される場所である腸内の環境を日頃から整えておくことも大切です。便秘などお通じのお悩みの原因はさまざまです。栄養バランスの良い食事を基本に、腸内環境を整える食材を取り入れることがポイントです。腸内環境を整えることは、お通じの改善だけでなく、免疫機能を整えるうえでも大切です。また、朝食を抜くなどの不規則な食生活が原因でお通じに影響が出ることもあります。スムーズなお通じと健康のために、食事のバランスと、日々の生活リズムを整えることを心がけましょう。

腸内環境を健康に保つために摂取したい食材をご紹介します。

  1. 食物繊維:食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があります。不溶性食物繊維は水を吸収して膨らみ腸壁を刺激して腸のぜん動運動を活発にします。水溶性食物繊維は水に溶けてゲル状になり有害物質を取り込んで排泄を促します。
  2. 発酵食品:発酵食品に含まれる乳酸菌や納豆菌は、年齢や生活習慣によりバランスの崩れた腸内環境を整える作用があります。
  3. オリゴ糖:オリゴ糖は腸内の乳酸菌等を増やすはたらきがあり、腸内環境の改善に役立ちます。
  4. オレイン酸:腸内の潤滑油としてはたらき、腸の動きをスムーズにする手助けをします。
  5. 水分:便を柔らかくして排泄しやすい状態にします。

お通じに良い食材

アーモンド

日本では扁桃と呼ばれ、桃や梅に似た植物の種子の殻を取り除いたもの。アーモンドには不溶性食物繊維水溶性食物繊維の両方が含まれ、ぜん動運動を活発にし、有害物質の排泄に役立ちます。食物繊維含有量は100g中約10gです。カロリーは20gあたり約120kcalと高めなので、摂取量は1日20g程度を目安にしましょう。また、腸の滑りを良くするオレイン酸も含まれます。その他、血行促進や抗酸化力に優れたビタミンEや、カルシウムカリウムマグネシウムなどのミネラルも含まれます。小腹が空いた時のおやつに最適です。

アーモンドイメージ

玄米

玄米は籾殻を取き、胚芽とぬか層は残っている状態のお米。玄米には不溶性食物繊維水溶性食物繊維の両方が含まれ、ぜん動運動を活発にし、有害物質の排泄に役立ちます。食物繊維含有量は白米の約6倍です。カロリーは1食(炊いた状態150g)あたり約250kcalと白米と比較してもあまり変わりませんが、食物繊維を豊富に含むので血糖値の上昇が白米より穏やかです。その他、ビタミンB1ビタミンB2ビタミンB6葉酸カリウムマグネシウム鉄分なども白米より豊富に含まれているので、普段の主食を白米から玄米に変えることで栄養素を補ってくれます。胃腸が弱い方は、白米と玄米を混合して炊くか、発芽玄米を利用するのがおすすめです。

玄米イメージ

ヨーグルト

乳を原料とし乳酸菌で発酵させた発酵食品。乳酸菌は、腸内細菌のバランスを整えて、腸のぜん動運動を活発にし、お通じをスムーズにする作用があります。たんぱく質カルシウムなど豊富に含まれています。また、胃の粘膜の保護にも役立ちます。果物やはちみつを加えることで腸内環境を整えるオリゴ糖も一緒に摂取できるのでさらに効果が期待できます。

ヨーグルトイメージ

納豆

蒸した大豆を納豆菌で発酵させた発酵食品。納豆菌には腸内で有害物質の繁殖を防ぎ、腸内環境を整える作用があります。また、納豆は大豆の状態よりもビタミンB2ビタミンK2が豊富。ビタミンB2は脂質の代謝を促す作用が、ビタミンK2には骨を丈夫にする作用があります。原料の大豆は「畑の肉」と呼ばれるように良質なたんぱく質を含んでおり、それを発酵した納豆は大豆よりも消化率が良く、胃腸が弱い方も食べやすいです。納豆に含まれるナットウキナーゼという酵素は血栓予防にも役立ちます。

納豆イメージ

わかめ

古くから食用とされた海藻。ぬめり成分はアルギン酸フコイダンなど水溶性食物繊維です。水溶性食物繊維は水分を含んでゲル化し、便を柔らかくして排泄しやすい状態にする作用や、有害物質を吸着して排泄する作用があり腸の健康に役立つほか、抗がん作用高血圧予防などの効果があるという研究結果もあります。その他、マグネシウムカルシウムも豊富に含み、カロリーは100gで16kcalと低いヘルシーな食材です。酢の物にしたり汁物に加えるなど積極的に取り入れましょう。

わかめイメージ

オートミール

燕麦(えんばく)やオーツと呼ばれるイネ科の植物を食べやすく加工したもの。オートミールには不溶性食物繊維水溶性食物繊維の2種類が存在します。ぜん動運動を活発にし、有害物質の排泄に役立ちます。その他、栄養素としては、たんぱく質カルシウムなどが豊富に含まれています。パンや菓子の材料として使用される他、水や牛乳で煮て手軽に食べられます。

オートミールイメージ

アボカド

森のバターとも呼ばれる油脂の多い果実。アボカドには不溶性食物繊維水溶性食物繊維の両方が含まれ、ぜん動運動を活発にし、有害物質の排泄に役立ちます。また、腸の滑りを良くするオレイン酸も含みます。その他、新陳代謝を促すビタミンB2や、抗酸化作用のあるビタミンE、赤血球の形成や細胞の生成に役立つ葉酸を多く含みます。カロリーは100g(約1/2個)で190kcalと高いので食べ過ぎには注意しましょう。

アボカドイメージ

こんにゃく

こんにゃくいもの成分であるグルコマンナン酸化カルシウムによって固まる性質を利用した食品。こんにゃくは、小腸で消化されず腸にとどき、腸壁を刺激し、ぜん動運動を活発にして老廃物の排出を促します。ほとんどが水分で、カロリーは100gあたり5~7kcalと低カロリーの食品です。さまざまな料理に取り入れやすく、食べ過ぎを予防でき、ダイエットに役立ちます。

こんにゃくイメージ

りんご

ばら科の落葉高木の果実。りんごには不溶性食物繊維水溶性食物繊維の両方が含まれ、ぜん動運動を活発にし、有害物質の排泄に役立ちます。また、腸内細菌のバランスを整えるオリゴ糖も含みます。りんごに含まれる食物繊維であるペクチンは、植物の細胞間にある粘着物質で不溶性水溶性の両方あります。水溶性ペクチンは、血糖値の急激な上昇を防いだり、コレステロールの吸収を抑制するなどの作用があります。不溶性ペクチンは、腸内の有害物質を排泄する作用があります。

りんごイメージ

ごぼう

根を食用とする根菜で、日本以外では食用とされていない植物。ごぼうには不溶性食物繊維水溶性食物繊維の両方が含まれ、ぜん動運動を活発にし、有害物質の排泄に役立ちます。ごぼうに含まれる食物繊維含有量は100g中約6g。また、腸内細菌のバランスを良好にするオリゴ糖も含みます。その他、抗酸化作用のあるビタミンC、赤血球の形成や細胞の生成に役立つ葉酸、ナトリウムの排泄を促し血圧上昇を抑制するカリウムなどを含みます。

ごぼうイメージ

お通じに良い食事

キムチ納豆

納豆菌を含む納豆と、乳酸菌を含むキムチの組み合わせで、腸内環境を整えます。オレイン酸を含むごま油を少しかけると風味が良くなります。

キムチ納豆イメージ

りんごナッツサラダ

食物繊維オリゴ糖を含むりんごと、食物繊維オレイン酸を含むナッツを合わせたサラダです。乳酸菌を含むチーズや、オレイン酸豊富なオリーブオイルも合わせるのがおすすめです。

りんごナッツサラダイメージ

こんにゃくごぼう金平

グルコマンナンを含むこんにゃくと、食物繊維オリゴ糖を含むごぼうの組み合わせです。食物繊維豊富でセサミンカルシウムなどが含まれる「ごま」もプラスするとより栄養価が高まります。

こんにゃくごぼう金平

枝豆玄米ごはん

食物繊維豊富な玄米と枝豆を合わせたごはんです。枝豆にはビタミンCβカロテンなど玄米にほとんど含まれない栄養素も含まれるので合わせることでバランスが良くなります。

枝豆玄米ごはんイメージ

食材・食事監修

食材・食事監修 山本奈津子

山本奈津子

株式会社Tulaの代表取締役。管理栄養士として特定保健指導業務や料理教室の開催、レシピ制作、コラム執筆を手掛けるだけでなく、インストラクターとしてヨガ哲学を基盤としたYOGA-FOODを考案し、ヨガと食事をテーマとした教室やイベントの企画運営活動にも取り組む。