良いお通じのために大事なことは?
出づらくなった便を改善するにはどうしたら良いのか、解説していきます。
便が出づらくなる原因は「大腸内のトラブル」です。
お通じ悩みの多くは、大腸内に食べたもののカスが何日も留まってしまったり、水分が腸から吸収されすぎて便が硬くなってしまったり、腸管の動き自体が弱まってしまうことが原因で起こっているのです。
つまり、こういった原因を解決して大腸を健康に保てば、「出づらくなった便を改善でき、悩みが解消される」ということです。
腸の健康のためにどのようなことに
気をつけている?
出典:株式会社ヤクルト本社「ストレス・睡眠と腸の健康意識に関する調査」2021年3月
(調査で得られた数値を基にグラフを作成)
腸のはたらきを良くするものを摂取したり、不摂生をしないように毎日の生活のなかでおなかを労わるよう注意されているなど、腸の健康を意識されている方が多いようです。
お通じ改善方法
それでは、お通じを改善するための具体的な方法と対策をいくつかご紹介します。
食生活を改善する
便が出づらくなりやすい人は、まず「食生活を見直すこと」をおすすめします。
- 1日3食を心掛ける
- 朝昼夕に3食をしっかり食べましょう。特にぜん動運動を最も活発化させる朝の食事はぬかずにしっかりとることがポイントです。
- 食物繊維をしっかりとる
- 食物繊維は便の形成に必要な成分です。腸のぜん動運動を促進し、便を排出しやすくするはたらきがあるので、穀物、いも類、豆類、ひじき、寒天、果物など、食物繊維を多く含む食品を十分にとるよう意識しましょう。
- 水分をしっかりとる
- 腸内の水分が不足すると便が硬くなり、スムーズに移動できなくなります。適度に水分を含んで膨らんだ便は、腸に刺激を与えて便意を起こしてくれるので、意識して水分不足にならないようにしましょう。朝に冷たい水か牛乳を1杯飲むと腸が刺激されるので、習慣づけることをおすすめします。
- 無理なダイエットを避ける
- 極端に食事の量を減らすと、食物繊維や水分が大幅に不足してしまいます。脂肪分は「太る」というイメージが強いので避ける方も多いですが、極端にとらないと便の滑りが悪くなってしまい、腸内に留めてしまう原因にもなります。お通じのリズムを崩してしまうと、美容と健康に悪い影響を及すので、必要なものをしっかりとる、バランスのとれた食生活を心がけましょう。
- 腸内環境を整える食べ物や飲み物をとりいれる
有用である乳酸菌を含むヨーグルトなどの発酵食品、オリゴ糖などは腸内環境を整えるのに役立つ食品です。日々の食事でこまめにとりいれるようにしましょう。
適度な運動やマッサージを取り入れる
運動不足はお通じを出づらくさせる大きな原因になります。腹筋やマッサージなどを含めて「体を動かすこと」をおすすめします。
- 全身運動
- ウォーキング、水泳、ジョギング、ヨガなどの全身運動も、腸に刺激を与えたり、腹筋を鍛えるのに効果的です。普段からあまり歩かなかったり、運動する習慣のない方にはおすすめです。
- 腹筋運動
- 排便でいきむ、便を押し出すときは腹筋の力が必要です。運動不足で腹筋が衰えると、腸の緊張が低下してぜん動運動が活発に行われません。腹筋運動は腹部の血行を促進して胃腸のはたらきを高めます。腸に刺激を与えることで自律神経にも作用して、お通じが出やすくなります。
トイレの習慣を改善する
規則正しい排便習慣がないと、自然な便意が起こりづらくなり、便が留まりやすくなります。便意を促すために「排便習慣を改めること」をおすすめします。
- 朝食後のトイレを習慣づける
- 朝食後は、食べ物が胃に入った時の刺激で大腸が大きく動くので便が出やすくなります。朝食をしっかり食べて、食後にはトイレに行くことを習慣づけましょう。
- トイレを我慢しない
- 便意が起こった時に、便意を抑えたり排便を我慢していると、直腸の反応が鈍く弱くなり、便意が起こりにくくなってしまいます。なるべくトイレは我慢せずに行きましょう。
ストレスをためないようにする
胃、小腸、大腸などの消化管は自律神経と深くかかわっているので、ストレスを受けると、自律神経のバランスが崩れ、消化酵素の分泌も悪くなり、ぜん動運動も乱れがちになります。お通じ悩み改善として、日ごろからストレスをためないように以下のことを意識しましょう。特にストレスを抱えやすいタイプの方は、毎日1つでも良いので、心がけて実践してみてください。
- ・しっかりと良質な睡眠をとる
- ・ストレッチやマッサージをする
- ・ゆっくり深呼吸する
- ・好きな音楽を聴く
- ・ゆったりお風呂に入る
- ・誰かに相談する
良いお通じのために大事なこと
お通じ悩みを改善するためにもっとも大切なのは、「バランスの良い食生活と適度な運動」です。
ダイエット目的で極端に食事の量を減らしたり、「太るから」といって穀類や脂肪分をとらないと、便になる食べたもののカスそのものが少なくなったり、便をスムーズに運ぶ潤滑油がなくなり、腸内環境を乱すことになります。
また、運動不足になると、腹筋の衰えにより便を体外へ押し出す力が弱くなり、お通じが出づらくなってしまいます。お通じについて悩んでいる方は、まず、食事や運動などの生活習慣を見直すところから始めてみてください。
万が一、お通じが出づらい状態が続き、腹部の膨満感が強くなったり、肩こり、頭痛、吐き気などの症状がある場合は、病気が潜んでいる可能性もあります。お通じのトラブルは、糖尿病、甲状腺の疾患、大腸がんなどの症状の1つとしてあげられる場合があります。気になる方は一度、病院で診てもらうことをおすすめします。
お通じ悩みはとても身近で、多くの方が少なからず抱えているものです。特に腹筋の力が弱い女性に多く、薬を服用している方も少なくありません。
お通じ悩みは、生活習慣を見直し、意識して日常生活を過ごせば、ある程度は改善・予防できるのです。
毎日スッキリと気持ちのよいお通じがくるように、できることから実践してみましょう。