栄養の
カルシウムとは?
カルシウムは人の体内に最も多く含まれるミネラルです。そのほとんどは歯や骨に含まれており、血液や筋肉にも含まれています。
身体を健康に保つために重要な成分であり、不足すると骨粗しょう症などの健康被害をもたらす要因となります。
骨を作る大切なミネラル
ミネラルは人の体内で作ることができず、食事から摂取しなければならない栄養素です。必須とされるミネラルは全部で16種類ありますが、そのうちの一つがカルシウムです。カルシウムが不足すると歯の質が低下して虫歯になりやすくなったり、骨折や骨粗しょう症のリスクが高まったりします。
食事やサプリメントなどで摂取したカルシウムは、骨と歯を作るだけではありません。実は血液中にも存在し、とても重要な役割を果たしています。
血液中にも欠かせない
カルシウム
カルシウムは、骨や歯の中にはリン酸カルシウムとして含まれ、血液中ではカルシウムイオンとして存在します。カルシウムイオンは筋肉の収縮や細胞内の情報伝達、血液凝固などに関与しており、血液中で一定の濃度を保つよう調整されています。
カルシウムの摂取量が不足すると、体は骨のカルシウムを溶かして血液内のカルシウムイオン濃度をあげようとします。カルシウム不足で骨や歯がもろくなるのはこのためです。
カルシウムは
何に含まれている?
カルシウムは、牛乳やヨーグルト、チーズといった乳製品や、大豆食品、骨ごとの小魚、海藻といった食品に多く含まれています。中でも乳製品は、カルシウムの吸収を助けてくれるたんぱく質『カゼイン』が含まれているため、カルシウムの吸収性が高い食品です。
カルシウムの
適切な摂取量は?
厚生労働省の『日本人の食事摂取基準(2020年版)』によると、成人1人当たりが1日にとるべきカルシウムの推奨量は男性で700mg〜800mg、女性で650mg前後と設定されています。しかし、量を十分に摂っていたとしても、摂り方によってはせっかくのカルシウムをきちんと吸収できていない可能性があります。
カルシウムは
吸収されにくい
ミネラル
カルシウムは吸収されにくいミネラルのため、カルシウムの吸収を促してくれるビタミンDと一緒に摂ることが望ましいです。ビタミンDは魚類やきのこ類に含まれていますが、日光にあたることでも体内に生成されます。
もう一つ重要なビタミンがあります。カルシウムを骨にしっかりと定着するのをサポートしてくれるビタミンKです。ビタミンKはほうれん草や小松菜、ブロッコリーや春菊などに多く含まれています。海藻類や鶏肉、納豆からも摂ることができます。
また、摂取のバランスにも気をつけましょう。リンの過剰摂取はカルシウムの吸収を妨げますし、カルシウムを多く摂りすぎると鉄をはじめとした他のミネラルの吸収を妨げてしまうため、いろいろなミネラルをバランス良く摂取することが重要です。
カルシウムは子どもの骨の育成にも重要な役割を持つため、給食の牛乳をはじめ、小さな頃からカルシウムをたくさん摂るように言われてきた方も多いのではないでしょうか。
身近な食品に含まれる成分ですが、摂り方に気をつけないと体内への吸収率が悪くなってしまうことも。一緒に摂るビタミンやミネラルのバランスに気をつけて摂取したいですね。